遅咲きの美容師は、いることにはいるのでしょうが、私の周りにはほとんどいなくて、現役で美容学校を卒業して、そのまま就職したという人がほとんど。国家試験浪人もまずいません。
なので、同僚がみんな年下であることはしかたがないとわかっていても、たまにちょっと寂しくなるときがあります。
そんなときに、たまたま入った美容室で、遅咲き仲間に出会いました。
その人は都内のちょっとした有名店で働いている人で、話の種にカットだけお願いしたときの担当さん。
私よりも美容学校に入学したのが遅くて、短大を卒業したあと3年間はOLをしていたのだそうです。
もともと美容師になりたいという夢はあったのですが、中学生のころからずっと付き合っていた彼氏がいて、大学を卒業して少し働いたらすぐに結婚すると思っていたので、美容師のように一人前になるまでに時間がかかるお仕事は向いていないと思っていたのだとか。
結婚の話は着々と進んでいきましたが、進めば進むほど担当の方は美容師への憧れが強くなっていってしまいました。
そして、美容師もやりたいけれど、メイクもやりたいという夢を見つけてしまったのです。
そして、OLを辞めて美容学校に行くことに。
彼氏は特に反対しなかったようですが、担当さんはかなり出遅れているので、何も考えないで勉強することだけに集中しないとどんどん遅れてしまうと考え、彼氏との別れを決断します。
それこそ10年以上付き合ってきた彼氏なので、当然反対されましたが、それを押し切って彼氏と別れたのだそうです。
その後美容学校を卒業し、メイクの学校も卒業してから働き始めたのが今の美容室。
メイクの仕事があるときはメイクに入り、それ以外のときはサロンで美容師としてのお仕事をされています。
彼氏と別れて寂しいと思うことはなかったのか、と伺ったところ、寂しくて学校が終わったら毎日焼酎を1本空けてしまうほどお酒におぼれていたそうです。
学校で勉強している間はまぎれても、家に帰ると寂しくて酔いつぶれて眠ってしまったいたのだとか。
でも、やはり学校の勉強に集中できたし、そのおかげで今があると思っているので、後悔はないとのことでした。
なんて潔くて素敵なんでしょう。
お互い遅咲き美容師だけれど、若い子たちに負けないように頑張ろうと約束をして、お店を後にしました。
いろいろな話を聞いてしまい、なんとなく恥ずかしいのでまたお店に行くことはちょっと躊躇しますが、ぜひまたカットをお願いしたいと思うような技術でした。
私も負けないように頑張ろう!